ここに登場するのは、RSA社、アメリカ政府、Distirbuted.net、踊る暗号解読班の4団体です。
RSA社というのは、アメリカの会社で、コンピュータのデータを暗号にして、関係者以外には読めなくするソフトを作って売っています。
Distributed.netというのは、インターネット上の技術者グループで、インターネットに繋がっているマシンのパワーを上手に合わせて、今まで無理だったさまざまな問題を解決するための技術や仕組みを研究しています。
アメリカ政府は「暗号の技術っていうのは、ミサイルなんかと同じで戦争の武器になりますから、そうそう簡単に輸出しちゃだめですよ。とくに、強力な暗号システムは、輸出禁止。どのくらいの強さまで輸出してよいかは、政府が決める」という方針です。(2000/2/14追記:我々の活動も含む草の根運動の成果もあってか、徐々に規制が緩められ続けています!)
これ、RSAさんは困っちゃいますよね。せっかく開発した商品を、世界に向けて発表できないなんて。そこで、「弱い暗号は、まあ、別に輸出しても良いや」というアメリカ政府の方針に対して、「だったら、とにかくうちのこの暗号システムをみなさんに解読してもらっちゃおう。解読可能ってことであれば、弱さの証明になるよね。そしたら輸出は解禁だ。万歳」ということで、暗号解読コンテストを開催しているわけです。
ところがこれ、実は個人とか小人数のチームとかが破るには、実際のところ強すぎる暗号なんですよ。大掛かりなチームを作って、効率よく管理、進行していかないと、とてもじゃないけど一生掛けたって解けやしないんです。そこで、Distribute.netの登場です。
「よっしゃ。今回のコンテストは18,446,744,073,709,551,616通りの鍵をチェックすれば、かならずその中に正解はあるという暗号だから、とにかく世界中のみんなで手分けして鍵をチェックしていこう」という作戦です。
Distributed.netは、参加者のために、クライアントソフトを作ってくれました。
しかし、一人一人で参加していては、まるっきり作業は進みませんし、あまりにも孤独で、すぐに飽きてしまいます。そんなわけで、Distributed.netでは、全員の作業の進み具合のランキング(今までにチェックしたすべての鍵束の合計順位や、昨日一日の順位など)を集計して、毎日発表してくれています。
さらに、仲間同士でチームを作って登録すれば、チーム単位のランキングも集計されますから、自分の成績+チームの成績で、二重の興奮を味わえます。
踊る暗号解読班は、このRC5コンテストに参加しています。全世界で148位、国内では17位の位置にいます(2001年6月。最新の成績はトップページからたどってください!)
さきほど、クライアントソフトの説明をしましたが、このソフトのすごいところは、パソコンの空き時間だけを使って動作するということです。
空き時間というのは、ようするにユーザーが画面を眺めているだけの時間や、席を離れている時間です。たとえば、今この瞬間ですね。コンピュータは、あなたからの操作を待つだけで、とくに何もしていません。何もしていないのに、コンピュータの心臓部は、無駄に回り続けています「何もなし」を判断するためだけに。
どうせ無駄に回るのであれば、何かやりましょうよ。空き時間だけを使うので、他の作業が遅くなるなんてこともありません。そしてその何かが、こういう意味のあるコンテストへの参加なら、こんな素晴らしいことはないと思いませんか?
みなさんの参加を心からお待ちしています。
さて、とうぜん、手分けして正解を探しているわけだから、宝くじなみの確率ではあるけれど、チームの誰かが偶然正解の入ったブロックに当る可能性もあるわけです。
だれかが、「当り」を引き当てた時点でコンテストは終了です。取りまとめ役のdistributed.netが、主催者のRSA社に連絡し、正解を確認して、賞金の分配となります。
賞金は総額10,000ドルで、そのうち、正解チームと正解者個人の取り分は、それぞれ1,000ドルです。
あした、あなたが1,000ドルを手にする可能性だってあるのです!