3ヶ月(8週〜11週)

2月16日(月) 8週1日

 やっと産婦人科病棟があいた。午前中に引っ越し。3階から4階にうつるだけだったけど車イスで移動させてもらった。ここでは6人部屋。でも、みんな年代も同じ位の人たちだし、切迫早産の人や妊娠悪阻(ものすごくひどいつわり)の人たちだったので、色々話をすることができた。結構楽しかった。

コメント(Papa):

仕事を終えて、駅まで急ぎ足に歩く。一本早い電車に飛び乗ることが出来れば、その分だけ早く病院に着き、その分だけ長く病室でJunkoと一緒にいられるのだ。病院へは、自宅の最寄り駅よりも一つ手前で降りる。前の晩に頼まれた買い物の袋をぶら下げて、地下の面会者通路からエレベータで病室へ。面会者名簿へ記入する時間ももどかしい。それでも、病室へ続く廊下を歩きながら、僕は呼吸を整え、可能な限りリラックスした表情を浮かべ、「いやなに、ちょっと近くまで来たんで、ついでにね」という態度で病室に入った。まだまだ状態は不安定で、断続的に微かな出血があった。だからこそ、「別に心配なんてしてないけどさ、まあ、お医者さんが安静にしなさいって言うんだし、しょうがないよね」というスタンスを保ちたかった。僕がおろおろして、彼女の不安を増幅させることだけは避けなければならなかった。
Junkoは実に勇敢だった。勇敢に不安と戦っていた。退屈、焦燥、夫の根本的な部分での無理解、そうしたなんやかやに屈することなく、マイペースで戦っていた。賞賛に値する。


2月19日(木) 8週4日

 今日は検診の日だった。診察室で内診とエコーで見てもらった。この前まだ13ミリだったのに、もう21ミリまで成長していた。写真ではまだどんな形なのかもよくわからないけど、先生によると頭が下向きとのこと。心拍もしっかりしていたので安心した。


2月21日(土) 8週6日

 33才の誕生日。病院で迎えるとは思わなかったなぁ。プレゼントも何もいらないからこの子がずっと順調に育ってくれるといいな〜って思ってしまう。Papaはケーキとさくらももこの妊娠体験の本を買ってきてくれた。今はとにかくテレビを見るか本を読む位しかやることがないからすっごくうれしかった。Papaありがと〜\(^o^)/ さくらももこは帝王切開だったんだね〜。しかも盲腸も一緒に切ってもらうなんてこれはただもんじゃないぞ(笑) 妊娠されている方にはなかなか楽しく読める本なのでおすすめです(^_^) とにかくこの1年は無事に出産して子育てに追われることを楽しみにしています。すっごく大変だろうけど、すっごく楽しみ。陣痛の痛いのも赤ちゃんに会うためなら何時間でも耐えてみせるぞ〜\(^o^)/

コメント(Papa):

 誕生日には、プレゼントはいらないから、お手紙を書いて、とJunkoは言った。そういうことなら、と便箋に向かったのだけれど、何度書き直しても、満足のいく物が書けない。自分が望むだけの優しさや強さが言葉にできないのだ。それはつまり、僕が優しくも強くもないからなのだけれど、それでも、素敵な手紙を書きたかったのだ。
 僕にとって、文章を書くという作業は、薄暗い山道を目的地に向かってとぼとぼと歩くような作業である。足下には所々に小さな、微かな輝きを放つ石ころが転がっている。たとえばある石ころは強さを、別の石ころは優しさを、それぞれ表現している。それらを辿りながら拾い集めていけば、目的地に着くまでにはポケット一杯分の石ころのコレクションができていて、それがようするに自分の気持ちを言葉で表現したものになる。
 でも、この時点では足下には強烈な色や光りの石ころが至る所に転がっていて、それがあまりにも眩しすぎて、手を触れることも、辿ることもできなかったのだと思う。文章にするとちょっと変だけれど、ようするにそういうことだ。
 結局、「忙しいから、今回はお手紙は、なし」とだけ話した。なんとも不正確な説明だけれど、しかたない。


2月27日(金) 9週5日

 順調だったら来週の月曜日に退院が決まった。今日はその退院診察の日。何とエコーの画面に我が子の手足とクネクネしている体がしっかり写っていた。ものすごく感激して「かわい〜(*^_^*)」を連発してしまった。看護婦さんも「かわいいね〜」と言ってくれた(^_^) 人間の形になってきているんだなぁ。ちょっとキューピーちゃんみたい(笑) Papaに写真を見せて、状況を話すと「さすがは我が子」と喜んでいた(笑) もちろん退院はOK。やっと家に帰れる〜\(^o^)/


3月1日(日) 10週0日

 どういうわけか少し出血が始まってしまった(T_T) 先生に話すとすぐに診ていただけた。それでも、心配はないとのことで、まだたまにそういうこともあるかと思うけど、そろそろなくなると思うから心配しないようにとのこと。ただ、鮮血が多量に出たり、固まりが出たらすぐに来なさいと言われました。


3月2日(月) 10週1日

 やっと退院できた。3週間ぶりの下界(笑) とにかく外に出たくて出たくて仕方がなかったのですっごくうれしかった。Papaが迎えに来てくれたので、病院を出てからふたりでミスタードーナッツによってお茶をした。でも、すぐにフラフラしてきちゃってタクシーで帰った。家ではPapaが布団を敷いていてくれたのですぐに横になった。Papaにはまだまだ迷惑をかけそうだ。

コメント(Papa):

 退院の日程が決まったので、代休を申請した。退院は、「寝てなきゃ危険」な状態から脱出するだけのことであって、まだまだ油断できないのはあたりまえなのだけれど、それでも(たとえ寝たきりなのは変わらなくても)Junkoが家に帰ってくるのは嬉しかった。


3月11日(水) 11週3日

 ここのところ調子が良かったので近くのデパートに買い物に行った。お昼におすしでも食べようかと思って京樽で並んでいたらおばさんがわりこんできた。何だか頭にきてちょっとカーッとなったとたんに何だか頭がフラフラして貧血をおこしてしまった。ちょっとヤバイ感じだったので、近くの生ジュース売場のイスに座って伏せていた。しばらくして少しだけ復活してきたので急いでタクシーに乗って帰った。明日は検診なので先生に話してみようと思う。


3月12日(木) 11週4日

 2週間ぶりの検診の日。我が子がどうなっているか楽しみの反面ちゃんと生きているかなぁという不安もあった。で、エコーで見てみると、何ともう51ミリ(頭からお尻までの長さ)にまで成長していた。しかも体をクネクネさせているだけでなく、手足もバタバタさせていた(^_^) うれし〜\(^o^)/ 大きさも丁度良いくらいとのことで、予定日も変わらないようだ。先生からも「赤ちゃん元気ですね〜」言われてなんだかすっごくうれしかった(^_^) 貧血は、血液検査では大丈夫だから、多分脳貧血だろうとのこと。あまりテキパキ動かないようにと言われた。で、次の検診は1ヶ月後で良いとのことで、引越をするので病院を変わると話すと、紹介状を書いていただけることになった。 本当はここで産みたかったんだけどな〜。